遅咲きの天才が魔女狩に遭わなかったわけHalloween Week-5
Witch Hunt-Wayne Shorter
ウェイン・ショーターもまた
サックス奏者として地位と名声を
勝ち取った一人だ。
しかしそんな彼は意外にも
少し遅咲きだった。
幼少期は絵を描くことを好み
油絵で入賞したり長編マンガを執筆するほど。
しかしある日突然ジャズに開眼し
思春期頃にようやくサックスを始める。
ハイスクール卒業後は音楽学科に進学すべく
彼がその学費稼ぎに選んだバイトは
なんとミシン工!
やっと進学、卒業できたも、すぐに徴兵され
ジャズミュージシャンとしての本格デビューは25歳の時。
当時の平均が20歳行くか否かだったので
少し遠回りした感はある。
しかしその後の彼はメキメキ出世した。
コルトレーンと知り合いさらには
当時一番人気のアート・ブレイキー&ジャズメッセンジャーズに加入。
音楽監督として指揮を振る。
約5年後、帝王マイルス5tetに入団。
大物たちと絡みジャズ黄金期に貢献
その約6年後に自らウェザーリポートを結成
そこからジャコ・パストリアスという天才ベーシストが産まれ
さらにその数年後には、それに影響を受けて
カルロス・サンタナという天才が出現
以後、ウェインの予報は何十年に一度レベルの天才を作り出すほどの嵐をもたらした。
ウェインが天才プロデューサーとして活躍していたことを知ってふと思ったが
天才肌というのは得てして魔女狩の標的にされやすい。
出る杭が打たれるのは全世界共通であって
嫉妬からの足の引っ張り合い
ワンマンの気紛れによる閉め出しなど
巨匠として知られてる多くのミュージシャンが経験している。
それにはショーターも例外ではないはずだ。
と、思いきや・・・
酒豪でオカルト好き、某宗教の熱烈な信者となかなか破天荒な生き方をしているが
彼はなぜか狩られていない。
思うに、初めからミュージシャン一直線というよりも
絵画やミシン工、兵役での回り道をした中で
多くの非ミュージシャンの人間と出会い
音楽とは関係ない世界も見て視野が広かったのだろう。
付け加えて言えば、彼は最愛の娘を亡くした
とても悲しい過去もある。
だから、人の心を掴むのに長けていて
愛情深く面倒見のいいリーダー気質だったのだろう。
ショーター社長の下なら、安心して仕事が出来そうかもしれない。