ドミニカ発、今日も熱血巨匠の嵐がやって来る
おいマチート、お前のコンガと俺のトランペットでジャズやったら面白くね?
お、それいいねーマリオ!うん、やろやろ!
こうして、キューバのある兄弟(正確には義兄弟)によって生まれた少分類ラテンジャズ
今ではその地位もすっかり定着しており
キューバやドミニカなどの中米諸国からも
続々とジャズマンが輩出されている。
そんな情熱系ジャズマンの一人が彼。
Michel Camilo(ピアニスト)
1954年、ドミニカ共和国サントドミンゴ生まれ。
裕福な音楽一家の中で育ち、家族からのプレゼントはアコーディオン。お祖父ちゃんの影響でピアノを始める。
音楽の英才教育を長く受け、24歳でニューヨークに移住し名門ジュリアードでもしっかり学んだ後、本格的なプロ活動を始めたのは30前と意外とゆっくりだ。
しかしその翌年にはいきなりカーネギーホールでのトリオ公演を大成功させ、ファーストアルバムを発売。
それから15年、一生の相棒Tomatito(ギタリスト)と出会い、チック・コリア大先生のSpainをカバーしたら、これが大当たりした。
あまりに好評だったので、もう一回やっちゃいました。
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しかしそれでもヒットし過ぎてしまい
えーい!もうこうなりゃやっちまえー!
と、第三弾やっちゃいました。
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カミロのピアノは超絶テクと爆発系激しさが特徴。
まさにザ・ラテンジャズ〜と言わんばかりで
ピアノがぶっ壊れんばかりに弾き倒す。
指先は血豆ダラケ、調律師は後始末大変。
しかし、そんな熱血っぷりな割には
指先のお手入れも怠らないと、何ともマメ。
楽屋での彼はラテン系ではなく
周囲に挨拶を怠らない大和魂系だという。
豊かな家庭の中でガッツリと英才教育を受けた彼だが
幼少期は国が内戦でかなり大変だったという。
裕福さの余裕があってもそれに甘えず
人なりの苦労も積み重ねてきたから
そういう細やかさも持っているのだろう。
ヴィルトゥオーゾ(巨匠)は今日も楽しくピアノを弾き壊し
そしてまた調律師が仕事に駆り出されているのだろう。