ジャズドラマーちぐさ~ジャズな生き方で自分を解放しよう!

ジャズドラマーちぐさ、ジャズな生き方で自分を解放する試みをしています。少し疲れた時、ジャズの名曲と共にジャズな生き方で楽になりましょう。

ニッチの中のニッチだからこそ、新しいアイディアは生まれる

クラシック音楽はジャズと同様に敷居が高いと見られている。
音楽家に変人が多い、リスナーもひと癖ある人が多い、コンサートでは寝てしまう。
クラシックリスナーさん、ごめんなさい。
ジャズリスナーもまぁ似たような見られ方されてますので。

実は私自身もクラシックへのメンタルブロックが解けないでいた。
変人や癖あり人間には慣れてるし
コンサートで寝てしまうのはそれだけ心地よい演奏をするからと肯定的に見てる。
むしろ、自分の場合は
子供の頃に習っていたピアノレッスンへの軽いトラウマなのかもしれない。
先生はヒステリックな女の人ばかりだし
向いてないせいか上達しないのに
練習しないでいると母に叱られたし。

しかしそのブロックも解除されつつある。
オイゲン・キケロのおかげで。

Eugen Cicero(ピアニスト)
スペル表記ではこうなる。
1940年ルーマニア生まれ。

幼い頃は、同業の母親に習ってクラシックピアノを普通にやっており
10歳にしてリサイタルをするくらいの神童振りだったが
思春期頃に兄の影響でジャズに染まりついには鞍替えする。
その年になればもはや遠い母親より近くの兄ちゃん(年齢という意味です)
こうして、キケロ兄弟はルーマニアからオーストリア、ヨーロッパ全土に渡って活躍の場を拡げた。

それではオイゲンは母の教えを忘れてしまったのか?
答えはノーだ。
彼の創り上げたジャズは
クラシックミュージックとの融合だ。
バッハ、ショパンといった
クラシックピアノの定番曲たちを
ほとんど形を変えずにジャズ特有のスイングに見事にマッチングさせている。
でもそのミックス加減が絶妙だ。
クラシックピアノ特有の乾いたところに
ジャズスウィングがしみこんで
互いの旨みを認めながら共有する。
母から受け継いだ伝統的な古典音楽に
兄から吹っかけられた新しいリズムを
オイゲンは同等に重視した。

↓代表作。クラシックに欠かせないロココ

彼はジャズクラシックという一つのジャンルを確立したようだ。
ジャズ界での知名度はそれほど高くはない中だが
ベスト盤を除いたアルバムの制作数は50になる。
↓得意はバッハ


クラシック音楽を伝統派としたら
ジャズは革新派だ。
相反する二つを組み合わせることは
ゼロから創り出すエネルギーに匹敵する。
アメリカのジャズマンによくある
チャレンジャー、フロンティアな陽性なものというよりは
バランスを重視した中性なのだろう。
それは、本場アメリカではなく
ジャズニッチのヨーロッパだからこそ出来たのかもしれない。