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ジャズドラマーちぐさ~ジャズと私と生き方と・・・

ジャズドラマーちぐさの、大好きなジャズのことと生き方について書いてます。

自慢タレのマウンティング小僧が創始者として生きた証

完全にタイトルで惹かれて読み始めたこの本

そもそもジャズって言葉はどんな意味なの?
といった素朴な疑問から始まって
ジャズの血筋があるのはこのミュージシャンとあのミュージシャンだ!などなど
人間の香りに嗅覚がよく働いてしまう身としては痒いところに手が届く本だ。

そんな中で印象に残った
ジャズを創ったのは俺だ!と豪語するピアニストがいる。
彼の人間性を考えたら
どうにも信用しないほうがよさそうだ。
でかい事言ってるけど、日頃の行いを思うと
アイツはちょっとなぁ…。
こういう人間って、実際身近にもいるが
悪い奴ではないけど、ちょっと扱いに困ってしまう。
そんな自称ジャズ創始者の困ったちゃんのことが思わず気になってしまった。

彼の名前は、ジェリー・ロール・モートン
1890年ニューオーリンズ生まれ。
14歳で売春小屋のピアニストとしてデビューし、アメリカ北部を放浪演奏しながらニューヨークに居を移した。
当時アメリカ国内で最大のビクターレコードとの契約に成功し、自らのリーダーバンドJelly Roll Morton & His Red Hot Peppers を率いてそれなりに成功した。
しかし世界大恐慌で音楽界の衰退で彼も煽りを受けた。仕事は激減し、細々とクラブで弾いたり、当時はステータスの低かった喜劇演奏などをして何とか生活していた。
そんな中、民俗学者アラン・ローマックスと出会い、米国議会図書館に名を残されたりして一時的に回復するが
晩年、クラブでの喧嘩騒動で大怪我をしてからは体調を崩しがちになり
最終的には深刻な病で亡くなった(病名は明らかになっていない)。

彼の性格は一言で言うとマウンティング大好き気質で、自慢話とビッグマウスで話題作りをする派手好き人間だ。
また、モートンは本名でなく、義理の父の姓名をあえて名乗ったり
若く見られてなめられるのが嫌で5歳も逆サバを読むなど、とにかく常に虚勢を張っていなければ気の済まない性質のようだ。
きわめつけには、自分の名刺に「ジャズとスイングの創始者」なんてブランディングしているから、もう始末に負えない。

そんなだからか、彼は今ひとつ周りからの信頼が少なく
また、こだわりの強さからもなかなかレコーディングが成功しなかったこともあったという。
部下にいたら非常に面倒なタイプだろう。
根はとんでもない構ってちゃんだけど
プライドも半端なく高いもんだから
マウンティングを重ねて自己をたもっていた。

でも、そんな子供っぽい彼を認める人間が意外と多い。
名刺に書いた創始者の肩書きは確かに大袈裟過ぎるし
ある意味笑っちゃう。
それでも、彼は一生懸命だった。
そんな彼でもいつも真剣だった。
人間的にはどうしようもなくても
創始者としてある程度貢献した証はここにあるから。